2011年10月31日月曜日

31日目

朝5時頃にふと目が覚めると、自分の向かいの部屋で騒ぎが。
聞いている限りでは、飲んでいる最中に誤解が生じて喧嘩になった模様。それを、友人やらが取りなすために部屋に出たり入ったり、誰かが泣き叫んだり・・・
声を聞く限りでは50代を超えている女性達+その亭主達です。

布団をかぶって8時過ぎまで頑張って二度寝をし、近くのCafeで腹ごしらえをしてから、さっさとチェックアウト。霧雨の中Beacon Hill Parkに向かいます。
海沿いの崖や世界一のトーテムポールなどを見た後、園内を歩くとようやく天気も回復してきました。
公園入り口
展望台からの景色。霧でよく見えない 

世界一のトーテムポール。長い。






野良孔雀


鴨を見てたら夕飯は鶏肉になりました


昼食がてら前から気になっていた地元ビールを飲みつつIrish Pubで昼食。
Phillips BrewingのBlue Truck Ale。軽めのコクの中の酸味が切れ味に。


やることやった後はバスに乗ってNanaimoに戻ってきました。
Victoria中心地はこじんまりとしており、二日あれば十分といった感じでした。
ただ、美味しそうなパブやレストランが豊富なので、次回はもう少し日数をかけて飲み歩きます。

2011年10月29日土曜日

30日目

週末なので、バンクーバー島最大の都市でありBritish Columbia州都でもあるVictoriaへ一泊の小旅行。
Nanaimoから南へ約150 km、Greyhound Busで約2時間かかります。
出発は8時45分なので一時間ほど前に家を出ますが、日出は8時頃。真っ暗の中、バスターミナルまで30分くらい歩いて行きます。

Greyhound busは北米各地を結ぶバス。時間も正確で乗り心地もまずまず、今回の往復で3000円ほどと格安でした。

あこがれの?Greyhound bus
11時頃にVictoriaへ到着。昼飯と散歩がてら、色々な人に勧められたSpinnakers Gastro Brewpubへ行きます。約30分ほど歩き、喉もいい感じで乾いた頃に到着しました。早速、お勧めのhalibutのfish & chipsを注文。

メニューの一番上にあったbitter。ほろ苦さが程よい。

衣はサクッと、中身はしっとりで旨い













腹も満たされたところで散策を再開。Victoriaというだけあってイギリスの影響が強く残った感じのする街です。街の規模はそれほど大きくなく、半日歩き回って大体Downtownは見終わった感じでした。

BC州議事堂(昼)荘厳な感じ
BC州議事堂(夜)なんか安っぽい感じが・・・






最高級ホテルThe Empress。一泊$250ほどだとか・・・

その後、Royal British Columbia Museumへ。この辺りの自然と歴史について、ワンフロアづつに分かれて展示されていました。結構広大で、ざっと見ただけで2時間以上はかかりました。
昔の街を再現したジオラマが結構たくさん。建物にも入れます。

ホテルにチェックインし、夕飯にはPBSの人お勧めのSwans Pubへ。
3パイント飲み比べてようやく辿りついた逸品。Brown Ale
でかくて旨い














幸い天気も良く、あちこち見て回ることができました。

29日目

今までやってきたPCRの条件はPBSの人から受け継いだものですが、どうもイマイチ。
仕方が無いので、再度条件検討をすることにしましたが、やはりプライマーに問題がありそうです。
来週、担当した人に細かい話を聞いて、プライマー再設計について検討します。

で、仕事の後は予定通りダンジネスクラブです。
受け入れ研究者の家に行き料理のお手伝い。結局、カニ肉大盛りのシーザーサラダとなりました。

しっかりした肉質は甘みもあって美味

その後、ワイン何ぞを飲みつつ夜遅くまで談笑。

アルコールが入れば音楽も飛び出します
楽しい金曜夜になりました。

2011年10月28日金曜日

28日目

今日の昼休みにはこの前たどり着けなかった公園へ再挑戦。
公園入り口

完璧な干潟









片道25分程度かけてようやく到着。たまたま干潮時だったので見事な干潟になっています。
観察していると巻貝やカニの穴、環形動物などの痕跡がありますが、動くものはほとんど見られず。やはり水温が低いからか、寒いからか、生物もあまり活発ではなさそうです。
珍しくもなくなってきた野良鹿
仕事に戻って今日のPCR産物を電気泳動。結果は、なんだか軽度感染が疑われるsipney scallopが一個あります。ちょっと判断がつかないので、他の検査にも廻してみることにします。

夕方、この前の願いが通じたのか、食用ダンジネスクラブがやってきました。
絶対に旨いはずです
船着き場でカニを受け取りましたがこちらで食べるのは脚のみ。その場で受け入れ研究者が脚をもぎ取り、カニミソ等は容赦なく海に放り込まれました。
明日、受け入れ研究者のお宅でごちそうになるので、白ワインでも持って行きます。

2011年10月27日木曜日

27日目

昨日抽出したDNAを使ってPCR。

PCR自体は問題なく、陽性個体を使った試験では病理組織よりも十分に感度よく病原体を検出でき、逆に健常と思われた個体からは陽性反応も無く、信頼性もありそうです。
これでようやく本来の宿主探しへ取りかかれます。

が、記念すべき第一回目に検査した種(32個体)ではPCR診断結果は陰性。
ただ、手法は間違っていないことがわかったし、候補が一つ消えたと考えれば、とりあえず前進ですかな。

2011年10月26日水曜日

26日目

今日はDNA抽出に没頭。
ようやく2時頃に一段落して食事をし、実験室に戻ってくるとバケツの中にカニが。
今日の犠牲者・ダンジネスクラブ
幅は15 cmほどもあるのですが、こちらではまだ小さ過ぎ、採っても放流しなければいけないサイズだそうです。
十分、良いサイズに見えますが・・・。
今日届いたのは、寄生虫が感染しているということで持ち込まれたそうです。
どうも様子を窺っていると、対照としての健常個体が、手違いで一匹多く来ているとのこと。

決して『何か』を期待した訳ではありませんが、快く試料作成を手伝いました。
そして、最後に余った一匹ですが、小さすぎてこれじゃ食えんな、という受け入れ研究者の一言と共に勢い良く生ゴミ入れへ・・・。残念です。

2011年10月25日火曜日

25日目

朝のうちに残っていた60個のイガイ試料を作製、これで、Kanish bayのサンプルは処理を終えました。残った時間でPCRの条件検討をします。

その後昼食を終えて散歩に。
大分色づいた紅い楓
トンネルみたいな道
一部が白骨化?

目的としていた公園が今日は閉められていましたが、快晴の中、halloweenの飾り付けを見ながら気持ちよく運動できました。

夕方、待っていた病理組織標本が届けられます。
検鏡してみるとそれらしい”もの”が結構な頻度で観察できます。
恐らく、病原体は消えてしまっていた訳ではなく、調査と報告がなされなくなっただけのようで、もしそうであるならば潜在的な損失は未だに続いているのかもしれません。

とにかく、これで今回の研究計画を遂行する前提が確立されました。
後は大量の試料解析が待っています。

2011年10月24日月曜日

24日目

ようやく受け入れ研究者から自転車を借りることができました。


鍵、ライト、空気入れ、ミラーなど完全装備、21段変則
早速この愛車でアジア食材を多く売っているというFairway marketまで試しに行ってみます。片道約7kmですが、高速道路脇を走る様なもので緊張が解けません。

途中の湖畔で。クマにサケは万国共通?
行ってみると値段は高めですが豆腐や梅干し、ミソなど日本で見かける食材が売っています。ホームシックにでもなったら買うことにして、 普段通りの買い物をして退散。

帰りは、前から気になっていた近所の自然公園へ。
軽い気持ちで入りましたが、いつも通り、中を歩くと結構な距離と自然が。

名瀑?

清流沿いの道を下って行く
ジャングルみたいな景色


 結局、早足で20分近くかかって山道を下って行くと浜まで出ることができました。
浜には生きているマガキがチラホラ。食えるのか??
ようやく着いた下の浜。紅葉もいい感じ。










天気がよければ、自転車でかなり行動範囲が広げられるということが分かったので、そのうち、頑張って遠くまで行ってみようと思いました。

さて、週末でリフレッシュしたし明日から仕事です。

2011年10月23日日曜日

23日目

せっかくの休日なのに寒くて雨模様。家にこもっていようと思いましたが、受け入れ研究者夫妻が昼食&ドライブに誘ってくれました。

最初に近くの農場で野菜の買い出しにお付き合い。
品数は少ないけど有機栽培野菜の品質は最高らしいです。
local farm market

カブの仲間のビートがたくさん













市内でメキシコ料理とビールを堪能した後、Vancouver島南部へとドライブ。

途中でHalloween用カボチャを調達。真剣に今年の一品を選ぶ。


DuncanにはCowichan族が作った本物のカウチンセーターや民芸品を販売する店があります。
ユニークなデザインで非常に魅力的なものが多いのですが、なかなか気軽に購入できない金額でしたので、一時保留。
ダウンタウンは小さいですがなかなか良い雰囲気で、半日くらい過ごすのにはお勧めです。
世界最大?のアイスホッケースティック
Cowichan族のトーテムポール。一つ一つに意味が










帰りがけにChemainusという街に寄り道。
くつろいだ感じの街で、夏には観光客も多く来るそうです。
なかなかcozyな街並み
一人なら迷うこと無く飛び込んだ街のpub










街の説明に寄れば、1942年(第二次世界大戦前)までに日本人が300人程度移住していたそうです。先人達の足跡は今は全く見られませんが、日本を遠く離れた静かで小さな街での遭遇に少し感慨深いものがありました。

2011年10月22日土曜日

22日目

さて、問題のベッコウガキの仲間です。こちらでは、jingleもしくはrock oysterと呼ばるそうで、文献では原住民達が食用にしていたようです。
日本ではカキ殻に時々付いていましたが、この辺りはカキが少ないためホタテガイの貝殻やイガイ、漁具のブイに付いていました。
大きさも日本産では2−3センチですが、こちらで採集したものは7センチくらいあります。
同種かどうか分かりませんが、大きさだけではなく外見も結構違う感じがしました。

ホタテガイ殻に付くベッコウガキの仲間  

可食部は少ないけど旨いのか?
まず解剖をして構造を理解し試料作成をしました。水産重要種でも何でもないため病理組織を調べた人はいないため、結果がなかなか楽しみです。

その後、spiny scallopも同様に処理します。その名の通り、殻表面に小さいトゲが無数にあるホタテガイの近縁種です。ホタテガイよりもおいしいかもよ?というと受け入れ研究者がそそくさと集めて持って帰りました。感想が楽しみです。

最後にナミガイの仲間も処理。殻長が最小9mm程度なので結構手こずりましたが、何とか終了。
ナミガイの仲間。さすがに食べる気には・・・
試料処理のお願いがてら病理組織用試料の作製室へ見学。
日常的に大量の試料を処理するだけあってよく整備されていますし、機材も揃っています。
専門の技術者が手際よくこなしていました。

有機溶媒リサイクル用の蒸留装置

半自動ライカ製ミクロトーム。お値段は新車一台分以上!

一回で300個の試料を処理する自動包埋機。もちろんMade In Japan
来週中には試料を作ってくれるそうで、楽しみにしながらの週末となります。

2011年10月21日金曜日

21日目

昨日採ってきたホタテガイの稚貝を処理。

今日の犠牲者達
一つずつサイズを測定した後に殻を開き、組織の病変を目視で確認していきます。その後、病理機組織及び遺伝子検査用の試料を採取します。

対象とする疾病は1997年から一切の報告が無く、一時的に流行ただけで消滅してしまったのでは、と考えられています。ですので、本疾病を対象とした今回の研究計画に、受け入れ研究者達は若干の危惧を抱いていました。が、解剖一個体目から病変の見られる個体が!
病理検査を行ってみないと確かなことは分かりませんが、一縷の希望が出てきました。

俄然やる気となって作業を進めるとチラホラ病変のある個体が。テンションが上がりっ放しとなり、結局100個超の個体を処理し、18個の疾病が疑われる個体を見つけることができました。
来週月曜には病理組織標本が出来上がるので、顕微鏡観察が非常に楽しみです。

明日は、これまでに誰も調べたことの無い貝類の検査と試料作成です。
これもまた楽しみです。
明日の犠牲者達

2011年10月20日木曜日

20日目

養殖場でのサンプリングをするべくQuadra IslandのKanish bayまで行きます。
まだ暗い8時頃に出発、Campbell riverという街まで行き、そこからフェリーでQuadra Islandに渡ります。
目指すQuadra Island

Campbell riverでサンプリング成功を祈願






Quadra Island行きのフェリー搭乗口









さらに、誰も来ないような山道を走ること40分くらいでKanish bayに到着。漁師さんと落ち合って船に乗せてもらい、ホタテガイの稚貝や付着する軟体動物をサンプリングします。

山奥に忽然と現れるKanish Bay

ロープを吊り上げて、何がいるかな?









採れるのは、ホタテガイの近縁種やイガイ、ベッコウガキの仲間がほとんどですが、ナミガイの仲間も少し採れました。

その後、Campbell riverへ戻り、海岸沿いを走りながら帰ってきました。
走行距離は300 km超、運転してくれた受け入れ研究者には感謝、感謝です。

明日からサンプル処理で忙しくなりそうです。